労働審判手続きにおける労働審判委員会の出す結論はどのように決まるのでしょうか。
労働審判手続きは、民事訴訟手続きよりもフランクで会社側と労働者側双方が部屋に入って主張を述べ合い、時には会社側だけが部屋に入り、時には労働者側だけが部屋に入り手続きを進めて行きます。
ただし、互いの主張が出尽くしたとき、労働審判委員会において双方の主張に基づいて一定の結論を導き、和解に向けて手続きを進めなければなりません。
そのようなときには、会社側も労働者側も部屋から出て労働審判委員会の3人のみで評議をします。
そして、そこで出た結論に従い会社側と労働者側それぞれに対して和解の可能性を探るのです。
労働審判委員会における評議の内容は秘密とされますが(労働審判法12条2項)、和解を成立させるための心証開示まで秘密とされることはなく、そこで出た結論はある程度双方に開示されます。
労働審判委員会における決議は過半数の意見で決まります(同法12条1項)。過半数ではなく過半数の「意見」という点がミソでして、過半数なら民間の労働審判員2人の意見と労働審判官(裁判官)1人の意見が対立すると前者の意見が優先されますが、あくまでも意見ですので労働審判官(裁判官)の意見を結論としても差し支えありません。
もっとも、あらゆる労働審判手続きで労働審判委員会内部の意見が対立することはほとんどなく、話し合って3人全員一致の意見で手続きを進めています。
なお、労働審判手続は労働審判官が指揮するとされており(同法13条)、法曹である労働審判官が積極的に紛争の争点を絞り、対立軸を明らかにして2人の民間出身の労働審判員をリードしています。
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