懲戒処分をするに当たり注意すべき点は何でしょうか? 原則を教えてください。

 

 
懲戒処分は会社における刑事罰のようなものなので、刑法により罰する場合の原則がそのまま当てはまります。

罪刑法定主義 – 予め就業規則等によりどういう行為が懲戒処分の対象となるか懲戒事由として定めておかなければなりません。これを予測可能性の保障とも言います。

遡及処罰禁止 – 一昨年にした行為がどれだけ酷い行為であっても新たに今年に定めた懲戒事由に当たるからといって懲戒処分をすることはできません。これは罪刑法定主義から導かれる原則であり、遡及処罰は予測可能性が保障されていないなかでの懲戒処分なので禁止されているというわけです。

二重処罰の禁止 – 一事不再理とも言います。1つの行為に対して2回以上繰り返し懲戒処分をすることはできません。

適正手続きの原則 – 実際に懲戒処分をするときの手続きが適正なものでなければ会社の意のままに懲戒処分をすることができるので、適正手続きの原則が守られなければなりません。
適正手続きの原則は、懲戒処分の相当性を検討する場合によく問題とされています。
適正手続きとして重視されるのは対象者に適切に弁明の機会を与えることです。
これは就業規則において懲戒処分をする場合には事前に弁明の機会を与えることを記載していればもちろん、記載していなくても弁明の機会を与えておくべきです。
 

 
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