1人暮らしをしている従業員が連絡なく欠勤を続けていて2週間が経過しました。弊社では2週間以上の無断欠勤は懲戒事由にあたります。本日実家の家族から連絡があり、本人が痴漢で警察に逮捕勾留されているとのことです。この場合に会社としてするべき対応を教えてください。

 

 
この場合、「逮捕勾留されたこと」と「2週間以上の無断欠勤」という2つの懲戒事由に該当します。

「逮捕勾留されたこと」についてですが、社内での犯罪ではなく社外での犯罪ですのでそれだけで直ちに懲戒処分をしてしまうと懲戒権の濫用として後に無効とされるおそれがあります(労働契約法15条)。

「2週間以上の無断欠勤」については既に2週間以上が経過していますし、理由はどうあれ無断で2週間以上欠勤したことは会社に対する裏切りですので懲戒処分をしても構いません。
警察署に勾留されているとなかなか自由に外部と連絡をとることはできませんが、警察署の留置係に依頼して実家の家族に連絡してもらうことは可能ですし、弁護人から会社に連絡してもらうことも可能です。
この場合、2週間以上の欠勤はやむを得ないと言えますが、無断で欠勤することは本人の努力で防げたはずです。
逮捕勾留されているなかでは取調べもあり当然時間の自由はありませんが、それでも2週間あれば会社に連絡することは可能でした。
そうすると本人は未必の故意(ぼんやりとは分かっていてしなかった)により会社を2週間以上無断欠勤したこととなります。

以上により、会社はこのことを懲戒事由である「2週間以上の無断欠勤」に該当するとして懲戒処分をすることができます。
懲戒処分の内容についてはケースバイケースですが、本人の会社復帰への意思・熱意、反省の有無・程度、これまでの懲戒処分歴、会社への貢献度を総合考慮して判断してください。
目安としては解雇ベースで検討し、情状によってそこから軽くするという発想で判断すれば良いです。
 

 
この回答をご覧になっても解決に至らない場合には、お気軽にお問い合わせください。

前の回答 懲戒処分をするに当たり注意すべき点は何でしょうか? 原則を教えてください。
次の回答 弊社の従業員が不祥事を起こしました。懲戒処分を検討していますが、減給処分と出勤停止とどちらが重い処分とされていますか?

ブログ記事の検索

目次
PAGE TOP