男性従業員Bが、女性上司Aからセクハラを受けたと申告がありました。Aに対して懲戒処分をしても良いものなのでしょうか。女性から男性へのセクハラは成立しますか?

 

 
女性から男性へのセクハラも成立します。
したがって、もしセクハラの事実が本当ならAに対して懲戒処分をしても良いです。

セクハラが問題になったころは「男性から女性へのセクハラ」という構図で捉えられていました。今でもそのような構図が頭にあるからこそのご質問だと思います。
しかし、割合で言うと「男性から女性へのセクハラ」が大半を占めてはいますが、「女性から男性へのセクハラ」も間違いなく存在します。
女性の社会進出と女性が上司になることが珍しくなくなってきましたのでそういう流れになっています。男性も女性も地位を得るとやりたいことは同じということです。

今はセクハラという概念が浸透しており女性が声を上げやすくなってはいますが、男性が声を上げることは難しいです。「男がセクハラを受けるわけがないだろう」という周囲の声を恐れてのことです。
それだけに男性従業員からセクハラの申告があれば軽くあしらわず慎重に取り扱いましょう。調査の結果、何もなかったということもあり得ますが、本人にとっては深刻な状態であると思います。

会社には安全配慮義務があり、従業員の職場環境を適正なものに保つ義務があります。
セクハラのない職場も適正な職場環境ですので、セクハラの発生防止義務があるというわけです。

セクハラで重視される要素は2つあり、1つは強制わいせつに至る行為があったか、もう1つは1対1の秘密裏になされたかです。これらの有無で懲戒解雇の有効性がある程度決まります。
女性から男性へのセクハラの場合、強制わいせつに至る可能性は低くその点で懲戒解雇にすることが難しいと思われます。
しかし、1対1の状況を作り出して恒常的にセクハラをすることは十分にあり得ますので必ずしも懲戒解雇にすることができないわけではありません。

なお、女性から女性、男性から男性へのセクハラもありますので、セクハラ問題に関しては先入観を持たないようにしておきましょう。
 



 
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