労働審判手続きがオンライン上で進めることができるというニュースを見ましたが、実際どうなんでしょうか? また、オンライン上で進めることのメリットとデメリットを教えてください。
裁判所はTeamsという、Zoomのようなビデオ会議システムでオンライン上で手続きを進める試みを始めています。
労働審判手続きでもこのTeamsが少しずつ利用され始めています。
これは新型コロナウイルス感染症の感染が収束しないことでより促進されている傾向にあります。
弁護士や裁判所ではなく、当事者つまり会社側にとってのメリット・デメリットを考えてみます。
メリットとしては、仮に遠方の裁判所であってもオンライン上で進められるならば、弁護士に支払う日当と交通費が不要になります。また、会社側の関係者がその遠方の裁判所に移動する時間を使わなくても済みます。
また、裁判所は人が集まる場所で新型コロナウイルス感染症に感染するリスクがありますが、オンライン上で進められるならば代理人弁護士の法律事務所に来れば良いのでリスクを下げられます。
デメリットは、直接ではなくオンライン上ですと主張の迫力に欠けてしまい、会社側がどうしても主張したい点がうまく裁判所に伝わらない可能性があります。
こうしたメリット・デメリットを踏まえますと、どうしてもオンライン上で進めるべき事情がない限りは直接に裁判所に行くべきだと思います。
オンラインのメリットは色々ありますが、そもそも労働審判手続きで争うということはきちんと決着を付けたいからです。
もちろんオンラインでも最大限の主張をしますし言葉も裁判所に届くでしょうが、どうも決着がつく感じがしません。
もっとも、オンラインで進めるかどうかは当事者から提案するものではなく、裁判所の密を避け裁判所での期日が集中することを避けるために裁判所から強く提案されるものです。
もしこれを拒否すると期日が先延ばしになり解決まで時間がかかります。
そうすると、実際にはなかなか拒否しにくいのが実情で会社側が直接とオンラインを自由に選択できるものでもありません。
この回答をご覧になっても解決に至らない場合には、お気軽にお問い合わせください。