残業代の消滅時効が2年とか3年とか聞きますが、いつからカウントするのでしょうか?
給料日の翌日からカウントします。
労働基準法により消滅時効の期間は2020年3月31日までの分については2年、同年4月1日以降の分については3年とされています(労働基準法115条・143条3項)。
しかし、いつからカウントするかについては労働基準法で定められていません。
そこで、消滅時効について定めた民法166条を見ると1号で「債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。」とあり、2号で「権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。」とあります。
このように場合分けがされていますが、民法の原則は2号の権利行使可能なときから消滅時効が進行すると解されています。
これを残業代の消滅時効に当てはめると、残業代を請求することが可能になるのは給料日ですので給料日から消滅時効のカウントが始まりそうです。
しかし、給料日が20日だとして厳密に言い出すと20日の午前0時に給与の支払いを請求できますが、社会通念上そんなことは非常識であって銀行の営業開始時刻に振り込んでいれば足りるとされています。
銀行の営業開始時刻は一般的に午前9時です。
そして民法140条本文は日数を計算するときに日の途中から起算する場合にはその日、つまり初日を算入しないと定めています。
そうするとこの場合は20日の午前9時から残業代を請求することになるので20日は参入せず、その翌日である21日から消滅時効のカウントが始まることとなるのです。
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