経営悪化による解雇として整理解雇があることを知りました。しかし雇用調整助成金があるから整理解雇はできないとも聞きました。本当に整理解雇できないのでしょうか。できる場合があるのではないでしょうか。

 

 
雇用調整助成金は新型コロナウイルス感染症により事業縮小を余儀なくされる事業主に対して、従業員を解雇するのではなく休業させて雇用を維持させるために国から支払われる助成金のことです。

整理解雇の有効要件は4つあり、その1つに「人員削減の必要性」という要件があります。
経営が悪化した結果、人件費を削減しなければ経営が立ち行かなくなることが、人員削減の必要性です。

このように経営悪化で整理解雇をする目的は人件費削減ですが、雇用調整助成金を申請さえすれば支給されるならばそれにより人件費が補填されて人員削減の必要性に欠けるとされやすいです。

以上の論理から、雇用調整助成金があるうちは整理解雇ができないという話が出回っているのです。

もっとも、雇用調整助成金は1日の上限が1万5000円です。
この上限を超える給与をもらっている従業員がいれば少し話が変わってきます。
なぜなら、雇用調整助成金が支給されても上限を上回った給与との差額を支払わなければならないので、その差額が経営を圧迫するなら整理解雇の要件を満たす可能性が出てきます。

したがって、雇用調整助成金があるうちは整理解雇ができないというのはあくまでも一般論でして、高い給与の従業員を多く抱える会社にとっては当てはまらないこととなるのです。

なお、雇用調整助成金はいまのところ2020年12月末までについて適用されます。それ以降については未定です。
いつまでも支給されるとは思えませんので、引き続き注視していきたいと思います。
 

 
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