従業員を懲戒解雇したところ労働審判手続きを申し立てられました。弁護士に相談したところ、上司に「うるせぇ!」と1回言っただけで弁明の機会を与えておらず過去に懲戒処分歴もなく懲戒解雇は無効となるだろうとのことでした。いずれにせよ懲戒解雇が無効とされるのであれば弁護士に依頼する必要はないでしょうか?
いえ、労働審判手続きについては弁護士に依頼するべきです。
お伺いした事情を総合的に検討しますと、確かに懲戒解雇が無効とされる可能性は非常に高いです。
しかし、だからと言って弁護士に依頼することが無駄だということにはなりません。
労働審判手続きは裁判所における交渉の一種です。
その交渉で労働者側(申立人)には弁護士が就き、会社側(相手方)には弁護士が就いていないとなると、労働審判委員会は説得しやすい会社側に大幅な譲歩を迫るでしょう。
「絶対に譲歩しない」と決めて出席しても雰囲気に呑まれて譲歩することになります。
労働審判手続きは真実を探求し正しい一つの結論を導く手続きではなく、交渉をして折り合いを付ける手続きです。
したがって、いわゆるこのような負け筋の案件であっても負け方を和らげるために弁護士に依頼する必要があります。
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