就業規則の懲戒事由で「他の従業員に暴行したこと」と定めています。この場合の暴行はどこまでを含めるのでしょうか? また、どの程度の懲戒処分が適切でしょうか?

 

 
懲戒処分は会社の秩序維持のための制裁罰ですので、会社秩序を乱す行為を対象としています。
そうすると、懲戒事由の暴行とは実際に身体的接触がなかったとしても他の従業員の肉体的・精神的被害を生じさせる可能性がある行為が含まれると解するべきです。

他の従業員を突き飛ばしても怪我をしないかも知れませんが、身体の打ちどころによっては重大な被害が生じる可能性がありますので、暴行に当たります。
ファイルを他の従業員に向かって投げつけたが当たらなかった場合でも、重いファイルであれば打ちどころが悪いと重大な被害が生じる可能性があり、軽いファイルでも目や首をかすめたら重大な被害が生じる可能性がありますので、暴行に当たります。

直接殴りつけるような行為と比べると暴行の悪質性は重くはありませんが、他の従業員に対する攻撃であることには変わりなく、そのことを知った加害者・被害者以外の従業員らが怯えることも踏まえると、軽い戒告処分や譴責処分で済ませるわけにはいきません。
肌感覚ではありますが、最低でも出勤停止が妥当だと思います。
そして、これが初回の懲戒処分ではなく、被害者のショックが大きく休職・退職するなどして、反省の態度もなかったとすると、諭旨解雇・懲戒解雇若しくはそれらに代わる普通解雇とするべきです。
 

 
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