東京本社の従業員に仙台への転勤を打診しましたが不服そうです。業務上必要ですのでこのまま転勤命令を出しても問題ありませんか。
転勤を打診してご質問のように不服な様子を見せた場合、後に転勤命令の有効性が争われる法的リスクに注意しなければなりません。
転勤命令は配転命令とも言います。
基本的に会社には転勤についての自由裁量がありますので、転勤命令が有効なのが原則です。
しかし、次の4つのいずれかに当たると転勤命令が無効とされます。
① 会社に転勤命令の権限がない
② 業務上の必要性がない
③ 不当な動機・目的がある
④ 従業員にとって通常受け入れるべき程度の不利益を超えている
①について、採用時に勤務地限定の契約であれば会社に転勤命令の権限がありません。
②について、まったく必要性がない場合を除けば通常は必要性が認められます。
③について、②の業務上の必要性と比べてそれを超える不当な動機・目的があるかを審査されます。
④について、②の必要性の程度に応じて従業員にとって通常受け入れるべき程度の不利益が決まります。
ご質問のように従業員が転勤に不服な場合にはこれら①から④について検討して転勤命令の有効性を見定めてください。
なお、有効な転勤命令を拒否した従業員に対しては懲戒解雇又は普通解雇を検討することになります。
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