従業員に対して関連会社への出向を打診しましたが強く拒否されました。それでも出向命令を出しても良いですか?

 

 
出向を打診してご質問のように強く拒否された場合、後に出向命令の有効性が争われる法的リスクを検討しなければなりません。

配転命令・転勤命令とは異なり、出向命令の有効性の基準に画一的なものはなく総合考慮で判断されます。
会社に出向命令の権限があることが前提です。
就業規則、労働契約書、その他の会社と労働者との合意により出向させること、及び出向先での労働条件など出向に関する詳細が規定されていれば出向命令の権限は認められます。

そして多くの裁判例では次の要素を重視しています。
 ① 業務上の必要性
 ② 人員選定の合理性
 ③ 従業員の受ける不利益

①について必要性が認められないことはないのですが、必要性が高ければ高いほど③の従業員の不利益の許容すべき程度も高まります。

②について、①の業務上の必要性とリンクしてその必要性に応じた人員選定がなされていればそれで良いと思われます。

③について、家庭の事情を踏まえた不利益であることが多いです。
いわゆる会社の従業員への配慮義務です。
また、出向期間が無期限(いわゆる片道切符)か期限が定められているかは多少考慮されますが重視されるわけではありません。
 

 
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