従業員から勤務時間の最後を休憩時間に宛てて会社では休憩を取らずに退勤したいとの申し出がありました。このような運用は可能でしょうか?
いえ、そのような運用はできません。
例えば、9時から17時を所定労働時間として働く従業員について見てみます。
休憩時間を入れる前提ですと労働時間は6時間を超え8時間未満となるので、法定休憩時間は45分です。つまり労働時間は7時間15分となります。
そうするとこの従業員からの申し出は9時から休憩なしに16時15分まで働きたいというもので、16時15分から17時は会社にはおらず退勤したいけど休憩時間扱いにしてくれというものです。
しかし、9時から16時15分まで働くと6時間労働を経過してしまっていますが、休憩時間の付与を義務付ける趣旨からするとまったく休めていないので労働基準法違反となってしまいます。
従業員が承諾してあえて希望しているのだから良いのではないかとも考えられますが、そのように考えてしまうと法の抜け道ができてしまい、ズルい会社が従業員に無理やり承諾させて休憩なしに働かせることが横行するおそれがあります。
したがって、従業員の承諾の有無に関係なく、休憩時間を付与しないことは違法と解されています。
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