融通の利かない生真面目な従業員がいます。仕事はしっかりとしてくれるのですが業務上必要な場合に「それは個人情報だから教えられません。」などと反論されることがあります。例えば官公庁への届出書への氏名、現住所、生年月日の記載です。これを上手く説明する方法はないでしょうか?
個人情報が強く意識されるようになってからしばらく経ちます。
知られても困ることがない場合にでも「個人情報だから」と躊躇する人もいます。
弁護士の感覚からすると少し行き過ぎのように思えます。
氏名や生年月日は行政機関個人情報保護法の「個人情報」です(行政機関個人情報保護法2条1項1号)。
現住所も氏名との組み合わせで個人が特定できますので「個人情報」に当たります。
行政機関が個人情報を取得する場合には利用目的を明示しなければなりません(同法4条柱書)。
そして行政機関は法令に基づく場合を除いて利用目的外での個人情報利用を禁じられています(同法8条1項)。
個人情報を教えない権利というものはなく、あくまでも目的外利用が制限されているだけです。
したがって、必要があれば氏名等を官公庁に教えなければ仕事が前に進みません。
その従業員に対しては業務上の必要がある場合は官公庁は個人情報を取得できることを説明してください。
どれだけ真面目でもそうしたことで業務が停滞するのは無駄ですね。
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