全社統一の就業規則を作成する予定です。弊社の事業場は複数あるのですが例えば始業時刻は9時、9時15分、9時30分とまちまちです。この場合の問題点を教えてください。
これから就業規則を作成するとなると、まずこれまで作成した個別の労働契約書との違いが問題となります。
労働契約書と就業規則とで始業時刻が異なれば労働者に有利な方が適用されてしまいます。
そこでそうした違いがあるならばその点について就業規則ではなく新たな個別の労働契約書を交わして統一しなければなりません。
そのうえで今後のために就業規則を作成するのですが、そこで統一的なものにするか事業場それぞれで作成するかが問題となります。
結論としては事業場それぞれで作成するべきです。
なぜなら、事業場それぞれで始業時刻をはじめ細かな運用が異なるのであればそれを統一的な一つの就業規則で規律することは難しいからです。
労働紛争になった場合にその就業規則の解釈として別の事業場のルールが適用されて会社が負けてしまう可能性が少しはあるとも言えます。
また、労働基準法は事業場ごとの就業規則の届出を義務付けています。
統一的な就業規則を作成した場合にはそれを事業場ごとに届け出れば良いのですが、法が想定していない方法だと思います。
作成の手間は同じか全社統一の就業規則作成の方が少し手間がかかるので、事業場ごと個別に作成することをお勧めします。
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